夏休み終盤、息子が「ひとりになりたい」と言い出した



夏休み終盤、息子は学校の宿題の大半を片付けたとはいえ、ちょっと残す。しかも嫌いなの、面倒くさいのを残す。残り数日の夏休みで終わらないでしょっていう量を残す。「あと少し残っているじゃない」「最後まで終わらせなさい」「塾のテキストは終わったの?」と確かに私は口うるさかった。

毎晩遅くとも10時半には就寝、そして予定がない日の朝寝坊はOK。しかし起きてから息子はパジャマを着替えない。放っておくと夕方まで!!私が声をかけるまで着替えることはない。息子が着替えないから毎日言う「パジャマを着替えて」。そしていつも床に脱ぎっぱなし。だから私はさらに言う「脱いだら洗濯籠に」。


一事が万事で、パジャマに限らずほかのことでもこんなやり取りが日に何度も繰り返された夏休みだった。


コロナのため家族旅行はナシ、学校の部活も感染拡大防止のため、1回の参加人数に上限があるらしく毎回は参加できず、週のほとんどを自宅で過ごすことも多い。息子の楽しみは友達とのLINEとオンラインゲーム、YouTubeと読書。

基本3食家族と一緒。そのため普段なら見過ごされる食事マナーについても注意される。注意されても直さないから、また言われる。私が言ってもスルーするから、最後には夫に強めに言われる。


両親がリモートワークで常時在宅という状況は、思春期&反抗期の息子にはなかなかつらい日々だっただろうと今は思う。


そんな夏休み終盤、久々に部活に行く日、見送る私に息子が「ひとりになりたい」「お留守番したい」と言い出した。

(「留守番」に「お」をつけるところがまだ可愛い)。

私と2人の時に息子は言いづらいことや好きな子のこと、本音を話すことがある。

「え、なんで?」

「もーすっげぇストレスが溜まるんだよ。なんかさぁ、俺が悪いんだけど、いちいち言われるとすっごいムカつくの。あぁひとりになりたい。」

「そうか、かなりストレス溜まってるね。ひとりになることは考えておくから。じゃ行ってらっしゃい。」


・・・・私も中学・高校生のころ、息子と同じことを思ってた。私は息子とは違い、それを口に出したことはなかったけれど、両親だけでなく礼儀作法にうるさい祖母が疎ましく、息が詰まりそうだった。息子のひとことで当時のことを思い出した。



夫に相談。

夫「へぇーひとりになりたいって?あなたが口うるさいからでしょう。まぁ確かに(マンションでリビングの隣に息子の)部屋があるけど、(一戸建てで)2階に部屋があるっていうのとはプライベート感が違うよな。」

私「明日ちょうど日曜日だから(夫は仕事休み)、ひとりにしよっか。」

夫「じゃあ俺はドライブする。」

私「・・・・」


私は遠出したくないし、美容院やネイルサロンは数時間で終わっちゃうし。そのあとカフェ?買い物?映画?・・・・それもちょっと違う。

だったらたっぷり過ごせる、自宅近くのホテルのデイユース(日帰りプラン)を使ってみることにした。数千円で6:00~24:00の最大18時間利用できるという。リモートワークを自宅ではなくホテルでどうぞ、というプランだ。


これが、すごく良かった。息子だけじゃなく私もひとりになりたかったんだと。



10:00、PCと本「日本製」、「Night Diver」のCD&DVDを持ち込む。昼過ぎまで仕事をして、ひとりで読んで聴いて観たかった。



息子からは時折「(宿題)〇〇やったぜ」「塾もおわった」「ゲームする」とLINEがくる。連絡要請はしていないのに。

…普段はこちらからのメッセージになかなか既読もつけないくせに、今回はこまめに連絡をくれるものだ。


18:00、そろそろ帰宅する。
玄関先に迎えに来た息子の顔はちょっとすっきりしたみたい??

「ひとりになってどうだった?」

「自由にできて楽しかったよ。」

私の帰宅から5分後、夫が帰ってきた。「どうよ、お留守番?」



まだまだ続くリモートワーク。そして息子の反抗期。私は息子との我慢比べになりそうだけど、できるだけ小言を減らすようにしよう。そしてお互い、いつでもひとりになりたいって思ったら、気持ちを口にできるように。